更新範囲70m 構造強度不足・現況把握ができない配管ラック健全化計画

設備の抱える問題
経年による度重なる配管の増設により、新設当初の設計荷重を超えて構造に変形が見られていました。増設を繰り返したため配管更新ができず、不要配管の撤去も困難で、配管数も50本を超えていたことから、現況把握が難しい状況でした。
架構の更新を検討していましたが、現況を正確に把握できなかったため、計画が立てられない状態となっていました。

現況データ化・解析・計画
大小50を超える増設配管を含む複雑な形状を、地上および高所から3Dスキャンにて計測しました。架構と配管の歪み・倒れなどの変形を解析できるよう、現況を忠実に3Dモデル化しました。
作成したモデルを元に平面図・立面図を作成し、配管の選別を行うため1mごとの断面図も作成しました。架構と配管を分けて数値化したデータを基に選別を行い、残すべき配管を適切にサポートできる架構計画を行いました。
既設設備を撤去できないため、盛り変え可能な形状と施工方法を考慮した計画立案を実施しました。

モデルを元にした設計と工事計画
地盤調査および既設架構基礎周辺の埋設物試掘調査を行い、既設周辺の状況を把握しました。架構の設計では許容応力度計算を実施し、周辺状況を考慮した基礎設計、配管流体満水での荷重、風荷重、地震荷重、積雪荷重などに対する構造根拠のある設計を行いました。
既設ラックを活かしながらの健全化工事となるため、基礎形状の決定、構造材の製造方法、施工方法について施工業者と共に計画を進めています。

コメント

この記事へのトラックバックはありません。

関連記事