設備の抱える問題
計画から外れていた改修案件が急遽更新工事として必要になりました。架構内部に設置されているタンク上部点検デッキの拡張工事と、鉄架構7階層の5階部における構造・床材の部分腐食更新、階段の架け替えが必要な案件でした。どちらも現況図面が無い状態でした。
デッキ拡張面積は10㎡×2箇所、干渉が想定される配管は各10種程度でした。
架構構造の更新範囲は32㎡で、大梁・小梁・根太・床材・階段1基が対象でした。上下階貫通ダクト類が6基、配管は約15本存在していました。
現場調査から工事完了まで約1ヶ月しかなく、計画・設計・製造・工事のすべてをこの期間内で完了させる必要がありました。
現況データ化・計画・設計
両案件とも既設デッキ形状を把握し、計画範囲内に空中敷設されている配管を撤去せずに更新を行う必要がありました。
デッキ拡張部は3時間、鉄架構改修部は半日で計測を完了し、モデル作成から3D設計までを7日間で完了させました。
新旧取合い箇所が多かったため、既設の接合ボルトピッチまで忠実にモデル化しました。
製作の納期短縮も必須であったため、2D製作図に加え3Dモデルも併用し、形状把握の速度を向上させました。
モデルを元にした現場事前計画と情報共有
3Dモデルの完成後すぐに仮設業者とモデルを基に仮設作業床計画を実施しました。工事業者は遠方のため、現場に来場せず点群データと計画モデルをモニターで確認しながら工事計画を共有しました。
高所での突発工事であったため、計画の相違や想定外の事態は災害リスクに直結します。そのため資材の搬入出経路、施工手順、吊り具設置箇所などについて、スキャン画像を用いて入念に打合せを行い、事前に工事シミュレーションを実施しました。
コメント